山田社長は職業別電話帳「ハローページ」を頼りにしている。ハローページは公衆電話ボックスに備え付けていることが多い。縫製に関連業者に「あ」から順に電話をひたすらかけていく。「ファクトリエの山田と申します。いま近くまで来ておりましてぜひともご挨拶させて頂きたくご連絡しました」と話す。2オクターブあげて明るく電話し「勢いで押し込む」(山田社長)ことがポイントだという。それでも成功確率は100件に1本だった。今では20件に1社の割合で成功するという。山田社長は「仕事を面白くするかどうかは自分次第。辛い作業であっても楽しみながらできる方法を考えてもらいたい。私の場合は100件電話をかけたら、自分へのご褒美に100円アイスを買っていた」と新入社員にアドバイスする。

自分で勝手に宿題作って何度も訪問

 電話でアポをとるほかに、地道な手法として飛び込み営業がある。話を聞いてもらうまでには高いハードルが待ち受けている。飛び込み営業の極意を教えてくれたのはサントリー酒類の川口修氏。川口氏はビール激戦区の東京でほかのビールメーカーからの乗り換えを促したり、既存店を盛り上げたりすることなどの役割を担っている。

 川口氏は突撃訪問することを心がけている。繁華街を歩き、行列ができていたり、直感でいけそうだと思ったりした店を突撃訪問するのだ。川口氏は「夜だけで1日4軒訪問し食事する。腹に溜まらずそれなりの支払額になるメニューを探すのが得意になった」と笑う。飲食代に月15万円ほど使う。

サントリー酒類の川口修氏。2年かけて口説くこともざらにある(写真撮影:村田和聡)