少し郊外へ進むと、19日にはいくつかのホームセンターが駐車場で販売を再開しており、袋一杯に商品を詰めた人で賑わう。そのうち一つの店舗では、2リットル入りのペットボトルの水や、幼児用のレトルト離乳食、紙おむつ、食品用ラップや肌着などがよく売れているという。

 20日には食品スーパーの営業再開が増えた。イオンは、熊本店(嘉島町)や宇城店(宇城市)などが休業、もしくは駐車場営業を行っていたが、一部店内営業に切り替えている。市内中心部の食品スーパーも20日から本格再開した店舗が多い。

 店内に入ると野菜や肉などが棚一杯に並べられており、生活必需品の供給網は少しずつだが回復しつつあると感じられる。ワインや焼酎の瓶は横に寝かして陳列し、余震へ備えていた。

 一方、鮮魚の品ぞろえだけは大きく不足していた。店頭に並ぶのは解凍されたチリ産サーモンや北海道産サンマなどに限られる。

主要な港へのアクセスにダメージ

 漁港に限らず、主要な港へのアクセスはダメージを受けた。県内最大の物流港である八代港(八代市)への高速道は通行止めで、一般道は午前から大渋滞。熊本市内から通常30~40分の距離だが、2時間以上は必要となっている。

島原市へ向かうフェリー乗り場近く。熊本港の前では道路修復が急ピッチで行われていた (写真=浦川祐史)

 島原市に向かうフェリーが発着する熊本港に向かうと、港付近の道路が工事中で迂回路に誘導された。地震で数十センチの段差が生じ、急ピッチで補修をしていた。

 地元経済を支えるハイテク産業の復旧にはメドが立っていない。世界シェア1位の画像センサーを製造するソニー熊本工場(菊陽町)周辺は、車の交通がほとんど見られなかった。

ソニーの工場周辺の交通はまばらだった (写真=浦川祐史)

 従業員用の駐車場もまばらで、出口付近で客を待つタクシーも1台のみ。トラックなど大型車両を見かけることは無かった。余震が何度も繰り返されるなか、高い精度が必要とされる生産体制の準備に時間を要している模様だ。