アーケードで食料・雑貨品店を開く古閑真紀子さんは「水を使った床掃除ができず、店内に客を入れられない」と話す。卸市場も十分機能していない。一方、提携農家から直送の野菜などを確保できているため、ワゴン販売を行っている。高速道路の通行止めや鉄道の運休で物流の大動脈は絶たれた状態だが、毛細血管のルートは生きている。

アーケード街ではほとんどの飲食店が営業をしていない (写真=浦川祐史)
ショーウィンドウのマネキンが倒れたままになっている。元に戻す余裕はまだない (写真=浦川祐史)

すき家が自前のキッチンカーで牛丼を提供

 外食や小売り大手は自前のネットワークを生かす。牛丼店「すき家」を展開するゼンショーホールディングスは、避難所となった熊本空港近くの「阿蘇熊本空港ホテル エミナース」で18日から、自前のキッチンカーで毎日約2000食もの牛丼や卵かけご飯を無償提供している。

すき家は被災地にキッチンカーを派遣し、炊き出しを行っていた (写真=浦川祐史)

 市内から避難している50歳代の女性は、食事の提供に「温かいご飯は助かる。高齢の父が特に喜んでいる」と話していた。

 ゼンショーは熊本県内にある物流センターから片道2時間をかけ、牛肉やコメ1000キロなどの食材を運んでいる。従業員は東京のほか九州各地から10名を集めた。支援物資などの配給が滞るなか、企業ならではの機動力が大量供給を支える。

 福岡から鹿児島まで伸びる国道3号線を進むと、スーツ専門店、メガネ専門店、家電量販店など、生活必需品以外を扱う店舗は全て閉じられていた。自動車ディーラーでは車を展示する1階部分が2階に押しつぶされている様子も見られた。