仕事を見直さずに残業時間抑制の号令だけをかければ、むしろサービス残業の温床となりかねないということだろう。

 どうすればサービス残業を無くせるのだろうか。以下にサービス残業がなくなったと答えた人の意見を抜粋する。

 「勤怠管理簿・パソコンログ・事務所施錠時間等の整合性を取り、不整合であった場合、社内処分を受ける可能性が出る制度に変わったため」

 「部下にサービス残業させると、その上司が処罰されることになったため」

論点2:生産性の位置付け

 現在の働き方改革を巡る議論の特徴は、「労働者保護」の観点が前面に打ち出されていることだ。過労死が後を絶たないという状況を考えれば当然のことといえるが、現場からは下記のような声も上がってきた。

 「労働時間ばかりフォーカスすると本質からそれてしまう。時間成果を高めるために、働き方は改革すべきで、時短がゴールではない」

 「いつの間にか残業を減らすことが目的になっているように見える。本質は生産性の向上であり、その結果としての労働時間削減だ」

 「働き方改革よりも、事業運営の有効性、合理性の向上を図り、賃金の向上につなげるべき。次に労働時間の短縮。そうであれば、消費拡大につながるのでは」

 「まず、生産性をあげる取り組みが重要。会社が人生のすべてのような人の意識を変えることも必要」

 働き方改革ブームにのって労働時間短縮を進めたところで、企業競争力が落ちるようなことがあれば、結局給与や雇用の面でしわよせを受けるのは現場だ。生産性が上がらなければ持続的な取り組みにならないということは、現場のビジネスパーソンが最も知っているということだろう。

論点3:「働き方改革」のネーミング

 「働き方改革」という言葉の主語は「現場のビジネスパーソン」だ。だが、経営者が指示してやらせているのだから「働かせ方改革」と呼ぶのが正しいのではないか。そうした、素朴な疑問を呈したコメントは多かった。調査当時、本サイトに関連記事が掲載されていた影響もあっただろうが、そもそも、多くの人が心に引っかかるものを覚えていたということだろう。