長時間労働の是正を旗印に行われている「働き方改革」。厚生労働省が労働基準法違反への対応を厳格化している影響で、経営者の危機意識が高まっていることもあるのだろう。今や、国内で取り組んでいない企業を探すほうが難しい状態だ。

 肝心なのは、改革を推進する現場がどのように捉えているかだ。そこで、日経ビジネスは3月末、インターネットで働き方改革の実態に関する緊急調査を実施した。1026人もの回答を得た。本記事では、緊急調査に対して寄せられたコメントを中心に、論点を整理していきたい。なお、引用したコメントについては、意図を損ねない範囲で文言を一部整えている。(データを分析した記事は日経ビジネス本誌で2回に渡って掲載しています。 2017年4月3日号「改革するほど消費減退のワケ」、2017年4月10日号「現場は答えを知っている」)

論点1:労働時間

 今回の調査では実態としての残業時間が改革前後でどのように推移したかを聞いた。「実態としての」という回りくどい言い方をしなければならないのは、日本企業には違法な「サービス残業」がはびこっている実態があるからだ。そこで、同時にサービス残業の推移も尋ねている。

 その結果、実質残業時間とサービス残業時間のいずれも減少したことが確認された。一般にサービス残業が発生するのは、会社から一定の時間以上の残業を認めないなどと様々な形で言われるため。残業そのものが減れば、正確に出退勤時間を報告することができるようになる。一定の成果を上げていると言えそうだ。

労働時間とともにサービス残業も減る

 「不要な残業(すぐやらなくてもよいこと)をせず、必要な業務が終われば早い時間でも退社しやすくなった」

 見過ごせないのは、「結局はサービス残業もしくは家に持ち帰って業務することになり、ますます実態がわからなくなってしまう」「退勤扱いにした後に、事実上の残業をするケースが多くある」など、サービス残業が生まれていると訴える声が上がったことだ。

 「会社側は残業時間の削減を要請するが、会社側からの削減のための具体的な提案や行動がないこと」

 「(会社側が残業時間の)上限を設けるだけで、仕事の中身を考えようとしていない」

 「勤怠システムのプルダウンに『自己啓発・私的コミュニケーション』が存在し多くの人達は、それを選択している」