性急な成果を求める声に耐えられるか

 電力分野は、その国の生活インフラの根幹を支える重要な産業だ。そのため海外企業の事業展開は各国政府の政策や国営企業の思惑に大きく左右される。また発電所の建設用地取得や、地域住民の説得などを外資系企業が単独で取り組むのも難しい。こうしたハードルを乗り越えるには現地政府や有力企業と信頼関係を築き、協力を仰ぐ必要がある。

 また発電所を一から建設するのには長い期間を必要とし、日本でも運転開始までは通常、10年以上かかる。つまり今から海外展開を加速させたとしても、収益に貢献するまでに事業が成長するには、長い忍耐の時間が必要だということだ。

 JERAには福島第一原発事故の処理費用を稼ぐという喫緊の課題が付いて回る。性急な成果を求める声に耐えつつ、じっくりと海外事業に向き合い、Jパワーのように相手国関係者の信頼をこつこつと積み上げることができるかどうか。ここに、同社の海外事業の成否がかかっている。

 JERAと取引のある関係者によれば、同社で海外展開に携わる若手電力マンのモチベーションは高く「米国の僻地にも喜んで長期間出かけていく若手を目にしている」という。電力会社はこれまで保守的な企業の代表として見られていた。そのイメージを覆し意欲ある電力マンを集め育てることができるか。福島第一原発事故処理への貢献から、燃料・発電の一気通貫体制の構築、そして海外事業の拡大とJERAに課せらせた課題は山のようにある。

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