3月20日の夜のこと。ニュースを見ていたら、今年5月から走り始める、東日本旅客鉄道(JR東日本)の豪華寝台列車「トランスイート四季島」(四季島)が、試運転中にエンジントラブルで一時停止したと知った。

 不具合の詳細を、JR東日本に問い合わせてみた。発端は13時58分ごろ、JR日光線の下野大沢~今市駅間を走行中に、一時停止してしまった。その後走り始めたものの、15時48分に再び止まってしまい、日光駅には予定から220分遅れで到着したという。在来線の線路を走っていたため、運休や遅延が発生し、2000人の足に影響が出た。

 四季島は、電化区間と非電化区間の両方を走れる「EDC方式」を日本で初めて採用している。非電化の区間は、車両に搭載したエンジン発電機により自給電力で走る。青函トンネルのような新幹線が走行する電圧にも対応している。

 四季島の運転開始は、あと1カ月ほどに迫っている。5月は隔週で3泊4日と1泊2日の旅行に使用されて、6月は毎週走行する予定だ。JR東日本によると、今回のトラブルはあっても、予定通りの運転を開始するという。だが、列車は1編成しかないので乗車を予定していた顧客だけでなく、関係者にも不安を感じさせたにちがいない。

 記者が今回のニュースについて気になったのは、その数日前、報道陣向けに公開された四季島に乗る機会を得ていたからだ。多くのメディアがその模様を報じていたから、視聴者の中にも「あれ、これって何日か前にお披露目していた電車じゃないの?」と思った人もいたのではないだろうか。

ホームから列車に乗り込む際に、ラウンジ車両の中央部にあるドアが大きく開いて、乗客を迎える。壁には木のような装飾があり、車両の中で最も明るい印象だ(写真:陶山勉、以下同)