育つかキラーコンテンツ

 国内ネット通販の市場拡大にともない、トップランナーである楽天が成長を続けることは間違いないだろう。ただアマゾン脅威論を根本から吹き飛ばすには、利益を一部犠牲にしてもヒト・モノ・カネを投入する新たな打ち手が必要かもしれない。

 楽天は決算発表と同時に、「Vision 2020」という中期戦略を発表した。ここでは「破壊的なビジネスモデル」や「ニッチでユニークなサービス」が掲げられており、海外や新規事業などが含まれる「その他インターネットサービス」の事業損益(Non-GAAP 営業損益)を2015年の180億円の赤字から2020年には200億円の黒字にする方針を明らかにしている。これに対して、風早アナリストは「(大幅黒字を達成するための)キラーコンテンツが何なのか、現状では見えづらい」と指摘している。

 楽天は2020年までにキラーコンテンツを生み出せるのか。求められているのはネット通販や金融事業に続く第3の収益の柱作りだ。1990年代半ば、「誰もネットで買い物などしない」という悲観論が主流を占める時代。三木谷会長兼社長はゼロから楽天市場を立ち上げ、成長事業に育て上げていった。当時は利益がここまで伸びるなど考えられなかったはずだ。その創業精神さえあれば、攻めの投資で粘り強く新規事業を育て上げることは十分可能なはず。ネットという数少ない成長分野の代表企業となった楽天が攻め続けられなければ、国内ネット勢は今後欧米だけでなく、アジア勢にも遅れをとることになるだろう。サービスの一ファンとしても、多少の業績悪化をものともしない前のめりな投資姿勢を楽天には見せて欲しいと思う。