体力以外でもロボットが助けてくれる業務はある。記憶力だ。人間の能力で限界があるが、ここもロボットが担ってくれそうだ。

胸ポケットから接客支援、課題は「コンセンサス」

 例えば接客業。来店客の顔や顧客の好みを覚えることは応対品質を高めるうえで重要だが、人の能力と経験に依存してしまう。ロボットが店員を助けられれば、店舗全体の品質は底上げできる。

 ロボットスタートの中橋義博社長は、胸ポケットに入り込む大きさのロボットが担当者の業務を補助できるようになると予測する。「重要事項の説明や顧客の顔を覚えるといったことをロボットが担えれば、店員の経験不足を補える」(中橋社長)。

ロボットスタートの中橋義博社長は胸ポケットにロボットが収まり、店員を支援するとみる(写真:村田和聡)
ロボットスタートの中橋義博社長は胸ポケットにロボットが収まり、店員を支援するとみる(写真:村田和聡)

 ロボットが活躍するうえで、技術的以外にも解決すべき課題はある。接客といった対面での業務をロボットが担ってもよいという風潮ができるかどうかがカギを握っている。アールティの中川友紀子社長は「世の中で『ロボットに任せてもよい』というコンセンサスを得ることは技術的なハードルを越えるよりも難しい」と話す。

 ATMや自動改札機をいち早く開発してきたオムロン。同社グループのシンクタンク、ヒューマンルネッサンス研究所の中間真一取締役は「対面接客を機械に置き換えると、最初は『失礼だ』と批判を浴びてしまう。でも20年ほど経てば利便性を理解して受け入れられる」と指摘する。確かにATMが普及したことで24時間お金を引き出すことができ、生活が便利になった。

 今回描いた未来まで20年以上ある。人手不足の課題先進国である日本だからこそ、同僚としてロボットを迎え入れれば、新しい人とロボットの役割分担を示せるかもしれない。