お姫様だっこと排泄処理で介護をサポート
ロボットが同僚になると、人間が不得意なことを代わりに担ってくれる。ロボットが得意なこととして力作業がある。たとえ単調作業であったり、重労働であったりしても、疲れを見せない。
現状でも人手不足が深刻な介護業界にロボットが働き手として普及すると、どう活躍するか。大阪で介護ロボット「SASUKE」を開発したマッスルの玉井博文社長は「力仕事がなくなれば高齢者でも働けるので、担い手のすそ野が広がる」という。

介護士は要介護者を抱えて入浴させたり、ベッドや車いすに移動させたりしなければならない。この力仕事が介護士不足を引き起こす大きな要因となっているからだ。
SASUKEを使えば、介護士は介護者の背中にシートを敷き入れるだけで、車椅子からベッドに乗せ替えられる。玉井社長は「介護される方からも『まるでお姫様だっこのよう』と好評だ。納入予定の老人ホームはSASUKEが働きやすいように通路を広げるなど、同僚として受け入れる準備が進んでいる」という。
さらに玉井社長は寝たきり状態でも排泄処理ができるロボットの開発中。この2つのロボットが同僚になることによって介護士の負担は大きく減らせるとみる。
保育園のウイルスも検知する副担任に
待機児童が社会問題になっている保育業界もロボットが果たす役割は大きそうだ。2015年に保育園向けの見守りロボット「MEEBO(ミーボ)」を発表したユニファの土岐泰之社長は「2040年にはロボットが副担任になれる」と話す。
保育士は子供と接する以外に様々な付帯業務がある。例えば、園児が園内でどう過ごしていたのかを保護者に報告しなければならないが、ロボットがカメラを活用し、自動で日記を作れれば負担は軽減できる。今後、ミーボの目となるカメラが進化すれば、ウイルスが園内に蔓延していないかといったロボットならではの能力で保育士をサポートできる可能性も秘める。すでにミーボは検温のほか、園児と歌を使って踊りながら遊ぶことは実現できている。土岐社長は「ロボットが頑張れば、保育士が園児と接する時間が長くなる」と話す。
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