住友不動産が2月末、新たな施工不良が発覚したことから管理組合に全棟建て替えを提案すると通知した横浜市西区のマンション(写真:日経アーキテクチュア)

 欠陥マンションの全棟建て替えというニュースが相次いでいる。

 住友不動産は2月末、2003年に販売した横浜市西区のマンション(施工会社は熊谷組)について、新たな施工不良が発覚したことから管理組合に全棟建て替えを提案すると通知した。2013年春に棟を結ぶ渡り廊下の手すりがずれていることが見つかり、2014年4月には支持層に届いていない杭があることが判明した。

 杭の施工不良が判明しているのは、全5棟のうち4棟。これまで住友不動産は1棟のみの建て替えを提案していた。だが、今回新たに配管を通すための「スリーブ」と呼ぶ穴を開ける際に、強度を保つために必要な鉄筋を切断していた疑いが強くなったため、全棟建て替えに方針を変えた。

全棟建て替えが「標準」に

 全棟建て替えの流れを作ったのが、三井不動産レジデンシャルが販売した横浜市都筑区のマンションのケースだ。一部の棟に傾きが発生し、杭が支持層まで届いていなかったことが判明。三井不レジは昨年10月、管理組合に全棟建て替えを提案した(関連記事:傾斜マンション、録音撮影禁止・説明会の中身 )。これを受け、今年2月27日に管理組合が全棟建て替え方針を決議した。これが住友不動産の方針変更にも影響したと見られる。

 マンションは元請けが施工し、デベロッパーと呼ばれる販売業者が消費者に引き渡す。デベロッパーは引渡し前に入念な品質チェックをして顧客に引き渡すのが当然だが、大手財閥系の2社で、それが十分に果たされていなかった。

 一連の騒動を通じ、筆者は現在の不動産業界には2つの問題があると感じている。