「情報化社会のスポーツは生まれていなかった」

 「農業社会の中からサッカーやラグビー、野球が生まれた。工業社会になると、F1に代表されるモータースポーツが出てきた。IT(情報技術)革命で情報社会へと突入した今、新たなスポーツは生まれていない」

 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の中村伊知哉教授はそんな問題意識を持っていた。自分たちこそがその担い手になるべきだと思い、昨年立ち上げたのが「超人スポーツ協会」だ。

 AI(人工知能)、ロボテックス、IoT(モノのインターネット)…。情報社会の新しいキーワードとスポーツを組み合わせば、新しい市場が開ける。超人スポーツはその入り口に立っている。

 日経ビジネス3月7日号の特集は、「経営者 本田圭佑が米国に進出するワケ」。本田選手が米国でのビジネスに乗り出す背景として、スポーツの潜在需要があることを描いた。今回ご紹介した新スポーツは、同特集を進める中で取材したものだ。

 米国を中心に、スポーツの力が改めて見直されている。スタジアムを都市再生の中核に据え、最新技術を投入してエリア全体の価値を上げる取り組みが米国全土で見られるようになった。企業はそれをビジネスチャンスと捉え、ハード・ソフト両面からスポーツに対するアプローチを始めている。

 スポーツには潜在需要がある。それは間違いないだろう。そしてその需要は、既存スポーツという枠組みの中だけにとどまらない。

 これまでスポーツに関心がなかったり、したくてもできなかったりした層を取り込む可能性がある新ジャンルのスポーツには、市場全体を拡大させる大きなポテンシャルがあると感じている。