「うちの眠っている技術で何かできませんか?」

 高齢者施設で好評を得ているスポーツもある。「こたつホッケー」はこたつに入りながら行うエアホッケーだ。こたつの上に映像でコートとみかん(ボールの代わり)が映し出され、湯飲みでみかんを弾いて相手ゴールに入れる。普段は上半身をあまり動かさない人でもゲーム感覚で楽しむことができ、「リハビリとしても有効だ」と評価されたという。

 メディアでの露出が増えて認知度が上がり、ゆるスポーツ協会に全国から依頼が殺到している。一つは企業からの依頼だ。

 現在、ゆるスポーツ協会が依頼を受けているのは電機メーカーを中心に10社程度。その多くが「うちの技術を使って何か新種のスポーツを作ってくれませんか?」という依頼だ。

 例えばNEC。最新の顔認証技術を使ったゆるスポーツの考案を協会に依頼。現在、検討している一つが、自分の顔と最も似ている人を数分以内に探してゴールする「顔借り競争」。小学校の体育祭で見られる「借り物競走」をもじったものだ。NECの顔認証技術を使って、連れてきた人の「似ている度」を競い合う。

 澤田氏はこう言う。「スポーツにユーモアを加えれば、『ボツ技術』の再利用だってできる。企業は技術とブランドをPRできるだけでなく、スポーツのフィールドを使って、技術の利用法や横展開を考えることもできるはずだ」。

 企業のほか、自治体も熱視線を送る。ある自治体が依頼しているのは「ご当地スポーツ」だ。地元の名産品などをスポーツに付加して新競技を作り、そのスポーツを観光資源の一つとして利用することを目論む。実際に複数の自治体で、既に試作が行われている。

 「ゆるスポーツを、私は『課題解決型のツール』だと考えています。少子高齢化や地方創生など、全ての日本の課題を解決することができる。今年中に、日常的に体験できる場所も設置する予定です。スポーツ庁との連携も進んでいます」(澤田氏)