民維新党への期待が高まっていない理由の1つが、「どうせまた、党内がゴタゴタするのでは?」との根深い疑念だろう。

 「政権交代」の一点で実現した民主党政権がその後、内紛続きで自滅したことは記憶に新しい。基本政策の不一致や党内を統治する能力の欠如がその主因だった。

寄り合い所帯に波乱要因が加わる

 松野氏ら民主と合流する維新の衆院議員の約半数がかつて、消費増税など政策の不一致を理由に民主を離党した面々だ。

 出戻る理由が十分に説明されていないうえ、ただでさえ寄り合い所帯の民主に波乱要因が加わるのは間違いない。

 「すぐに足の引っ張り合いをするだけだと有権者は見透かしている」と自民党のベテラン議員は指摘する。

 こうした見方を裏付けるかのように、合流を前に民主、維新両党のつばぜり合いが早くもヒートアップしている。まったく新しい党名でイメージを変えたい維新側に対し、民主のベテラン議員らが「民主の文言は譲れない」と主張するなど、調整は難航必至だ。

 民維新党が何を目指し、今の安倍晋三政権と何が違うのか、よく分からない点も大きい。

 「共生社会、多様性を認める社会が我々の目指す方向だ」。こう語る岡田氏は民主が提唱してきた正規雇用と非正規の格差是正や、子どもの貧困解消などを引き続き看板政策に掲げる意向を示す。

 だが、安倍首相は参院選を見据え、「介護離職ゼロ」や「同一労働同一賃金」の実現など民主のお株を奪うような政策領域にウイングを広げ、争点をあいまいにする戦術を鮮明にしている。これまでの主張を繰り返すだけでは、安倍政権との違いは打ち出しづらい。