事業統合で得をしたのは誰か

 三菱重工の宮永俊一社長は就任前、担当役員として日立との事業統合を主導した立場だ。当時は世界展開をにらんだ日本企業の大型提携として高い評価を集めた。当事者であるだけに、事業統合前に詰めたはずの南ア案件の費用負担問題で安易に妥協することはできないだろう。結果論とはいえ、三菱重工にとって事業統合をしないほうが良かったという議論を引き起こしかねない。意地の悪い見方かもしれないが、日立にすれば、事業統合によって、目先の爆弾ともいえる南ア案件を抱えるMHPSは持ち分法適用会社となった。関与が減ったぶん、業績に影響を与える危険性は薄まったともいえる。

 ともに米ゼネラル・エレクトリック(GE)や独シーメンスを仮想敵に掲げ、「選択と集中」を標榜する三菱重工と日立。集中の結果、三菱重工はババを引いてしまったのか。結論を出すのは時期尚早だが、グローバル企業にとっては1件のM&Aが数千億円の損失につながりかねない。経営は結果責任がすべて。日本企業同士であっても全く油断できない時代だ。