「進化形」から「再攻」へ

2007年(左)と2016年(右)の「日経ビジネス」

 「日経ビジネス」は2007年にも、コマツの特集(上の写真・左)を掲載した。タイトルは「製造業の進化形 コマツが究める」。規模と利益の急成長を象徴するように、大量の油圧ショベルが折り重なるように並ぶ写真が表紙を飾っていた。記事は、コマツの専売特許だったコムトラックスを大きく取り上げ、「7万台の『地を這うアナリスト』」と紹介している。

 それから、9年が経った。需要動向が変わっただけでなく、コムトラックスが期せずして取り組んでいたIoTの技術もいたるところで見られるようになった。それどころか、世界中の企業がAI(人工知能)やデータ解析に長けた人材を取り合い、この種の技術を経営に生かす力を一気に高めようとしている。スピード感も、コマツがじっくりとコムトラックスを育てていた頃とはがらりと変わった。

 このまま何もしなければ、「製造業の進化形」だったコマツは「現在形」になり、ひいては「過去形」になってしまいかねない――。大橋社長の真意と、それに呼応して動き始めた現場のことを考えながら改めてIoT広告を眺めると、第一印象とは違って見えてくるから不思議だ。

 さて、今回の特集では、現在のコマツがどの○○形であるかは明言せず、「コマツ再攻」というタイトルにした。表紙の写真には、建機が1台だけ映っているもの、ただし、ドローンがその上空を飛んでいるものを選んだ。理由は特集を読んでいただければ、ご理解いただけるようになっている。記者は天邪鬼なので、タイトルにはIoTという言葉を入れなかった。

■変更履歴
記事掲載当初、「人口知能」としていました。正しくは「人工知能」です。お詫びして訂正します。[2016/02/25 12:30]