「効率化 提案するため 日々残業」(ビジネスマンみっちゃんさん)
 「ノー残業 居なくなるのは 上司だけ」(仕事人間さん)
 「残業は するなこれだけ やっておけ」(残業スパイさん)
 「口ほどに その手動けば 早帰り」(残業ヤダ男さん)

 自分のことかと、思わず苦笑いした人は少なくないだろう。個人的に大ファンである恒例の「サラリーマン川柳コンクール」の入選作100句を、第一生命が今年も発表した。

 今、「働き方改革を進めるぞ」と、全国の企業経営者が発破をかけている。だからといって「業績を落として良い」などというケースは珍しいはずだ。残業時間削減と成果の両立。二律背反に苦慮する現場の状況を呼んだ句が目立つのは、そんな世相を反映したものといえる。

 働き方改革のそもそもの目的は、生産性と競争力の向上だ。日本企業は停滞期に設備投資を抑え、社員の労働負荷を高めることでしのいできた。ここで働き方改革をすすめるなら、システム投資や自動化、人件費増などの経営判断とセットで行うのが筋ではある。ただ、一気に改革機運が盛り上がった経緯を考えれば、現時点で現場にしわ寄せがいくことはやむを得ないのかもしれない。

主婦にも36協定を

 さて、私が注目したのは以下の句である。17文字の中に、時代を象徴する2つのテーマが盛り込まれている見事な作品だ。

 「主婦業も 36協定 結びたい」(臨時専業主婦さん)

 1つは女性の社会参画。臨時とあるからには、出産や育児など何らかの事情で休職や退職をされて今は主婦となっているということだろう。旧来型の日本企業の男性を前提とした働き方を改革することは、そうした女性の負担を軽減し様々な活躍の場を広げることにつながる。

 さらに「36協定」という言葉を盛り込んだことで、長時間労働への社会的な問題意識の高まりを反映している。政府は2月14日、働き方改革実現会議で36協定についての見直しの原案を示した。罰則付きの時間外労働の上限について年間最大720時間、月平均60時間としようという内容だ。日本経済における今年の大テーマである「働き方改革」において、最重要ワードであることは間違いない。