「みんれび」が提供するお坊さん便(パンフレットより)

 葬儀の仲介などを手掛けるベンチャー「みんれび」(東京都新宿区)が昨年12月から、「僧侶の手配サービスチケット」をアマゾンで販売し始めた。その名もズバリ「お坊さん便」だ。

 お坊さん便は、寺や僧侶と接点がない都市部の人を主たるターゲットにしている。四十九日や一周忌、三回忌といった法要、墓回向、仏壇の魂抜きなどの際、いとも簡単に「供養が買える」のがメリットだ。決済(価格は3万5000円~、全国一律料金)はクレジットカードでできる。チケットを購入すれば、あとは決められた日時・場所(葬祭会場や墓地など)に手配された僧侶がやってきて、お経を唱えてもらうだけだ。

 お坊さん便自体は2013年から、同社のホームページなどで販売を始めてはいた。だが、アマゾンに出店した昨年末から注文が急増。同社は販売数を「アマゾンとの契約上、非公開」とするが、販売直後の1年間に比べて、2015年は7倍にも膨れ上がったとしている。

 「問い合わせ数もうなぎ登り。2016年は1万2000件を見込んでいる。そのうち多くが受注に至っている」(同社)。

 寺院と檀家との関係性が希薄になりつつある昨今だ。ネットという手段を用いれば、布施の料金に頭を悩ます必要はないし、寺とコミュニケーションを取る必要もない。また葬送においても地域を巻き込んだ大規模な形態から家族葬、直葬といった簡素なものにシフトしている。お坊さん便は、現れるべくして現れたサービスと言える。

 同社は「お寺とつながりをもたない人は多くなる一方。しかし、供養したい心は残っている。そこをしっかりとケアしていくのが我々の役目」とその意義を語る。

ニセ僧侶の見破り方

 だが、心配なのは手配されてくる僧侶の質をどう担保するかだ。極端に言えば、「本物の僧侶」と「偽物の僧侶」をどこで判別するのか。

 宗教年鑑によれば、仏教系の包括宗教法人数は168もある。さらに宗派に属さない単立寺院は2500以上。仏教系新宗教なども含めれば数限りなく、僧侶の“見た目”も様々。僧侶(教師)養成課程はそれぞれの宗派によってまるで異なる。僧侶資格は国家試験ではないため、「まともな伝統仏教の僧侶資格を得たお坊さん」かどうか、判断が難しい。つまり、袈裟を着て、お経が唱えさえすれば、なりすましは可能だ。