このゲームが面白いのは、机を囲む4~5人がジョブを取り合うところにある。机の中央は、いわばハローワークの掲示板。「自動車業界」「航空・宇宙」「インフラ」「電化製品」など業界ごとにエリアが分かれており、各エリアにその業界の求人内容を示すジョブカードが置かれる。1ターンを2年としてこれを取り合うわけだが、誰が何を取ってもいいわけではない。それぞれのジョブカードには必要なスキル内容が書かれているので、そのスキルを持つ者のみがジョブカードをゲットできる。ゲットした職務を全う(2~4年で全うすることができる)した暁には、ジョブカードに書かれた新しいスキルを入手できる。

 もう一つ、面白い要素がある。1ターンごとに景気の浮き沈みがある点だ。記者が参加した時は、20歳のターンで「インフラ業界が成長」というフェーズになった(フェーズは前方のスクリーンに映し出される)。すると、机の上にあるインフラのジョブカードの数が増える。しかし、24歳のターンでは、「産業機械、精密、自動車業界が衰退」となった。すると、一気にその業界のジョブカードが取り払われてしまう。たとえその仕事に就きたくても、仕事がないという状況を疑似体験するのだ。

大切なのは「ゴール」を思い描く力

 ジョブカードに記載された仕事内容は、年齢が上がるのに合わせてレベルアップしていく。最初は「評価設計」だったのが、次第に「製品企画」になり、スキルを積むと「設計開発」ができるようになり、最終的に「研究開発」を担当するプロになれる。

 ここで戦略が必要になる。最終的にどんな業界でどんな仕事に就きたいかを思い浮かべ、そこに到達するのに必要なスキルをなるべく早い段階で身につける必要があるのだ。途中で業界を変えたとしても、基礎技術は身につくので構わない。重要なのは、60歳を迎えた時に、自分の希望がかなっているか否かだ。

 印象的だったのは、ゲームを進めるうちに、最初は遠慮気味だった学生たちがどんどん自分の気持ちを口に出すようになっていたこと。「どうか宇宙は衰退しなくでくれ~」「またインフラが好景気だなんて、おかしいだろっ!」「そろそろ子供も大きくなる頃だから研究開発に就いとかないとなあ」などなど。一般的な研修は講師が一方的に学生に向かって話すイメージがあるが、メイテックのそれは対照的で楽しそうだった。