ツルガの営業の要は「ナニワのおばちゃん」だ 写真:菅野勝男

 何かと政策議論の的になっている配偶者特別控除の上限があるため、育児中のパート社員にとっては、高い給料よりも働きやすさの方が重要だ。「給料よりもいかに休みやすいかの方が彼女らには重要。業務プロセスもパート社員に合わせて設計している」(敦賀社長)。

 この2社に共通していることは、ほかの小売り企業でもある程度応用が可能である点だ。いまや消費者はインターネットで商品知識をたくさん得られる。他店の価格情報など、消費者の方が企業よりもたくさん情報を持っていることも少なくない。

 そうした時代に、営業の教科書に載っているような笑顔やおじぎの練習をしてみても売り上げは伸びにくい。そこでは2社のような、対応のきめ細かさや高いコミュニケーション能力こそが、勝利の方程式となる。

 確かに私自身、商品の性能や価格はまずインターネットで調べてから買い物に出かける。販売員に求めるのは洗練された商品説明より、迷った時に背中を押してくれたり、不具合があった時に相談に乗ってくれたりといったコミュニケーション力だ。

 信頼は細部に宿る。販売研修も、こうした顧客の信頼を勝ち取る「細かい作法」を徹底する内容に変えなければ、今後は生き残っていけないだろう。