電話応対もしっかりと準備しておくことで顧客から信頼を勝ち取るチャンスでもある

 三つ目が顧客からの電話はすぐに出ることだ。電話を逃さないだけでなく、すぐに情報を取り出して話を始められるように準備しておく。ネクストワンでは顧客別にファイルを分け、施工に関する書類を一元管理している。

 ファイルには、電話がかかってきたらすぐに目的のページへたどりつけるようタブをつけている。情報を整理しておくことで担当が休みであったり、外出中であったりしてもほかの担当者が同じように対応できる。「どれも細かいことだが、実は徹底するのは大変。しっかり全員がやれば顧客との信頼が高まり売れるようになる」(遠藤社長)。

パート社員を戦力に

 対面で売らなくても信頼の勝ち取る方法はある。ものづくりの町、東大阪市に本社をネジ商社のツルガ。実店舗はなく、インターネットによる通信販売が事業の柱だ。だが、ツルガの顧客対応はパートの「おばちゃん」が担う。

 ほとんどの注文はウェブサイト上で完結する。だが建設業者のなかにはネット通販に慣れない人もいる。「この層はホームセンターに行って買っている。競合他社もいないからチャンス」(ツルガの敦賀伸吾社長)。こうした層が電話をかけてきたり、在庫が納期に間に合わなかったりするケースが少なからずある。

 ただツルガの客単価は1万円。利幅が小さいため、営業担当者を張り付かせられない。その一方でサービスの質を高めないと、価格競争に巻き込まれてしまい他社へ流出してしまう。そこでパートの女性社員がきめ細かく電話したり、メールを送ったりするなどしてサポートすることにした。ベテラン女性がてきぱきとソフトに対応することで、うまく話をまとめられるのだという。

 ツルガのパート社員は平均勤続年数が10年以上と長いものの、秘訣は給料の高さではない。早く帰られることだ。

 パート社員の多くは子供が小さく育児中心の生活を送っている。ほとんどの社員が自転車で15分以内に自宅がある。10時から16時が基本勤務時間で、残業はほとんどない。終業時刻になればすぐに帰られるし、子供が体調を崩した時の早退も容易だ。有給休暇も社員と同じように10日間取得できるので、子供の夏休みなどに合わせやすい。