2月8日から、中華圏の正月に相当する春節がスタートする。記者が1月中旬に銀座の百貨店を訪れると、売り場のあちこちに「研修中」とのバッジをつけた外国人の店員を見かけた。三越銀座店でも、免税カウンターの人員を中心に、スタッフを増員して対応に当たるという。

 2015年の流行語大賞にもなった「爆買い」という言葉に象徴されるように、中国人の旺盛な購買欲は、落ち込んだ国内消費に変わって日本の消費産業を支える存在になりつつある。春節は大きな「書き入れ時」だけに、ビジネスチャンスを取り込もうとする動きが活発化している。

 米ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)が2013年末に出したレポートによれば、中国の旅行市場は2030年までは拡大基調で、年率11%の割合で成長するという。可処分所得が1万3000米ドル(約130万円)以上の世帯、いわゆる中間層の増加とともに、市場も拡大すると予測している。

 日本は現在「買い物環境の整備」に官民挙げて取り組んでいる。多言語対応や、銀聯カードを使える端末を増やしたりするのはもちろんのこと、地方の観光地では自治体が商店街に対して補助金を出し、免税対応強化を進めている。2016年に入ってからは、三越銀座店に本土初の市中免税店が開業。今後も銀座のみならず、大阪や福岡に市中免税店が開業するとのニュースが報じられている。

 買い物環境の整備は、消費拡大の受け皿に直結する。対応は大事だ。しかし、訪日外国人の消費を「買い物」だけで捉えようとする日本の今の動きに、記者は危うさを感じている。