3本勝負の結果は、お互いに1勝1敗1引き分け。全体で引き分けとなった。人間の威厳を少しは保てたかなと思い胸をなで下ろす。しかし、この1日にAI記者によって書かれた記事は70本。人間記者は3本。記事内容で引き分けでも、分量ではとうてい勝ち目が無い。AIの精度が今後さらに高まると、人間記者の居場所は業績速報に関しては確実に縮小するだろう。

 AIとの勝負を通じて、人間の持つ付加価値とは何だろうと、つくづく考えさせられる。AIは人間の負担となってきた煩雑で膨大な仕事を引き受けてくれる。しかし、徐々にテクノロジーが進歩するにつれて、これまで個人が「自分だけにしか出来ない」とプライドを持っていた仕事のコアな部分までも、AIが一瞬でこなす日が来るかもしれない。

AI記者との共生は続く

 AIの進歩が進み企業経営や生産システム管理まで担い、人間の代わりに付加価値を生む主体となると、人間社会の価値観はどう変わるのだろうか。思いを巡らしてしまう。ほどんどの人間はAIに役割を奪われ、下を向いているのだろうか。それとも、様々なプレッシャーから人間は解放され、肩の力を抜いた生き方をしているのかもしれない。将来の事は何も分からない。

 人間の記者としては、AI記者の仕事範囲が広がる中で、当面は人間しか出来ない領域を探し、そのなかで仕事を全うするしかない。それはあらゆる職種にもあてはまる事かもしれない。そして来たるべき未来には身をゆだねるしかない。怖い半面、悪いことばかりではない気もする。果たしてどうなるだろうか。

[2017年2月3日追記] 記者(人間)が2分間で書いたIHIの業績記事で、売上高が「1兆38億円」とあるのは「1兆382億円」の間違いでした。原稿の正確性ではAIには敵いませんでした。記事全体の趣旨に鑑みて、記事自体の修正はせずに、ここに追記します。