しかし、発着枠の決定プロセスには不透明感が漂う。政府間交渉に加え、日本側では航空行政を所管する国土交通省の裁量に委ねられているためだ。国交省は「国益、利用者の利便性を最大化するよう慎重に検討したい」(航空局)とするが、内実は複雑だ。

 航空会社に公平な競争環境を与え、多様な運賃や運航ダイヤの提供を通じて利用者の利便性を高める秘策はあるのだろうか。その糸口になりそうなのが、発着枠の入札制だ。実は政府も過去何度も入札制導入を検討した経緯がある。

 直近では規制改革会議が2007年、2010年秋の羽田空港の国際化にあたり、近距離便に限定せず、需要に応じて柔軟に発着枠を設けることなどを柱とする航空政策の提言を発表した。

市場再参入時の規制は「支援決定時に」

 この分野の規制緩和を通じて、空港発着枠を航空会社による競争入札に基づいて配分する仕組みの導入や、運賃の自由化を求めた。公共工事や資材調達のように、入札に委ねれば所管官庁と企業などの恣意的な意思決定が排除できるためだ。しかし国交省の反発などで具体化せず、その後の政権交代などで立ち消えとなった経緯がある。

 そして現在、公正取引委員会が1月末にまとめた一通の指針案が注目されている。テーマは政府系機関による企業の再生支援に対する指針案である。

 日航への公的支援を巡り自民党などから批判が出たことを踏まえ、有識者を交えて策定したものだ。法的拘束力はないが、2月末まで意見募集した上で、正式に決定する。

 指針案によると、公的な再生支援は民間の手に負えないケースに限り、必要最低限の規模にとどめ、その内容を開示することを原則とした。市場から退場すべき企業までが政府の支援で生き永らえ、競争環境がゆがむことを防ぐのが狙いだ。

 ここで特徴的なのは、再生を果たした企業が市場に再参入する場合、所管官庁などが課す規制は「支援決定時に決定することが適当だ」としたことだ。

 日航には2017年3月まで新規路線の開設や設備投資を大幅に制限する「暗黙のルール」が国交省から課されている。2012年8月10日に取りまとめられた通称「8.10ペーパー」だ。公取委の指針案に従えば、このペーパーは本来、日航が会社更生法の適用を申請した2010年1月当初に示されるべきだったことになる。

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