昨年12月、規制改革会議は民泊のルール整備に関する意見書を公表した。この中で、民泊を含むシェアリングエコノミー全般について「推進すべき」との姿勢を強調し、民泊は旅館業法の適用を除外した上で、新たなルールを整備するなど抜本的対応をすべきだと提言している。

 規制改革担当の河野太郎・内閣府特命担当相も昨年12月、日経ビジネスのインタビューで「民泊は、かなりの外国の方が利用しており、これはもう現実が先に行っている。(中略)やっぱり何らかのルールを決めてやってください、というのが(規制改革会議から厚労省などへの)要請」と語っている。

 だが、厚労省の動きは、これに抗うかのよう。表向きはこの方針に沿いつつも、民泊という市場も自らの蚊帳の内(=旅館業法)に収め、既得権益化しようとしている、と筆者の目には映ってしまう。

 ここに、エアビーを狙い撃つ新たな刺客が現れたことで、民泊をめぐる状況は、ますますカオス(混沌)の様相を呈してきた。

仲介事業者への新たな法規制も

 情報技術(IT)の利活用や推進を目的として内閣に設置されている「IT総合戦略本部」。ここが昨年12月に公表した中間整理案(規制案)には、エアビーのような民泊の仲介事業者を想定した新たな法規制(シェアリング規制)が含まれている。

 仲介事業者に、「ホストの営業許可確認」「ゲストの本人確認」などを義務付ける内容で、トラブルが生じた場合は事業者が損害賠償の責任を負うことも検討されている。エアビーのような海外の事業者も規制の対象とし、国内事業所の設置を義務付ける方針。今春までの法案化を目指しているという。

 規制案は民泊のみならず、今後、行政の裁量によって規制対象のサービスを、例えば、ライドシェアなどにも拡大できるような制度設計となっており、国内外のインターネット業界から総スカンを食らっている。

 その内容は、別掲記事(「民泊」の規制案に米国勢が猛反発)に譲るとして、仮にこの規制が施行されれば、エアビーが事業を継続することは困難になるかもしれない。エアビーは、旅館業法の簡易宿所の営業許可をとっていないホストを閉め出す義務を負うからだ。そんな事態に陥れば、日本における民泊は大きく後退するに違いない。

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