ある新規参入事業者幹部はこうこぼす。

電気に品質はなし

 「電気は色も形もない。そもそも品質という概念がないから価値を上乗せしようがない。スタートダッシュが重要だと考えている新規参入事業者の中には、赤字覚悟で値下げの原資を確保することを真剣に考えているところもある」

 営業コストと利潤を減らして電気料金を下げる手法以外に各社が活用しているのが、電気以外の商材にも広く使える「ポイント付与」の仕組みだ。このほか、他の商材と組み合わせて実質値下げを謳う「セット割」、一定の契約期間を縛る代わりに特典を付ける手法なども多くの企業が取り入れている。

 こうした商法は“見せかけの値引き”とも揶揄されるが、実質的に現金とほぼ同価値のキャッシュバックを受けられるメリットはある。

 注意すべきなのは、そのようなメリットを享受するには、契約年数の縛りや専用クレジットカードの申し込みなど細かな条件があるケースが多い点だ。きちんと条件を理解せずに安くなりそうだというだけで慌てて飛びつけば、後にトラブルにつながる可能性もある。

 4月からの自由化では、まだ電気料金の大きな部分にメスがはいるわけではない。小売り商戦がから騒ぎのように熱を帯びるにつれ、そんな基本認識が置き去りにされているような気がしてしまう。