全国に失敗事例はごまんとある

 役所主導の再開発が失敗した例はアウガだけではない。例えば佐賀市の中心市街地で1998年に開業した商業施設「エスプラッツ」。わずか3年で運営会社が倒産し、「巨大な空き家」が市の中心部に長らく存在するという異常な状態となった(現在は公共と民間の複合施設として再生)。

 秋田市の中心部で2012年7月に開業した「エリアなかいち」でも、総合食品売り場の運営会社が売り上げ目標の未達を理由に開業から2年足らずで撤退。その後も撤退が相次ぎ、テナントの大幅な入れ替えを迫られた。

 共通しているのは、アウガの例が示すように商業施設としての採算性の見込みに甘さがある点だ。アウガ再生の報告書は「非現実的な事業計画をベースにスタートし、それが現在の苦境の主因となっている可能性がある」と指摘している。

 地方の中心市街地の衰退が進むなかで、行政が駅前や中心部の再開発を主導するスキームを否定することはできない。しかし、甘い見込みを元に進め、結果的に再開発プロジェクトが失敗し、「幽霊ビル」を作るのであれば、負の影響は大きい。

 日経ビジネス1月25日号の特集「活力ある都市ランキング」では、会社やヒトを呼びこむためにユニークな活動に取り組む自治体を取り上げた。

 再開発のように莫大な予算を必要とする事業を行わずとも、子育て支援や起業支援などを手厚くすることで、街を活性化することは可能だ。ハコモノに頼らない、知恵と工夫による街づくりこそ、人口減少時代に求められていると感じている。