「人気俳優出演ドラマ『花郎』、12月19日から韓中同時放送が決定!」

 昨年11月、たまたまこんなネットニュースを目にし、驚いた。以前当コラムにて「中国で始まった『韓流排斥』の波紋」を掲載したとおり、中国では昨年8月以降、韓国のドラマや映画など「韓流コンテンツ」を厳しく制限している(限韓令)。在韓米軍への地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD=サード)配備を決定したことに対する報復措置だ。そんな状況下での韓中同時放映、しかも、中国の放送局側は過去最大規模で放映権を入札したと言われ、韓国内でもこのニュースは大きな話題となった。

 花郎には日本や中国で人気のSHINeeや防弾少年団のメンバーも出演しており、中国での前評判も高かった。8月以降の露骨な韓流締め出しの動きで中国の韓流ファンからも不満が出始めており、それに対応し一部で緩和の動きが出始めたのか。記者含め、韓国のテレビ業界もそう思った矢先だった。昨年12月19日からスタートした「花郎」が、第1話、第2話まで放送した後、突如中国で放送中止となってしまったのだ。同じタイミングで、番組のサイトからもドラマの情報が削除された。花郎を放送するKBS側は、「中国側から何の説明もない」と話している。昨年中国で社会現象となるほどの人気となった韓国ドラマ「太陽の末裔」に次ぐヒット作になると言われ、KBS側も中国マネーを期待していただけに困惑が広がっている。

韓国経済を直撃

 昨年8月以降表面化した「韓流排斥」の動きは、ここにきて一層厳しさを増しているように感じる。

 中国人メンバーも含む韓国の人気アイドルグループ、EXOは、12月中旬に開催予定だった中国南京でのコンサートが、公演日10日前に急遽中止が決定した。中国で爆発的人気の韓国人俳優、ソン・ジュンギも中国製スマートフォンの広告を降板することが決まった。今回のドラマ「花郎」のように、中国側がお金を支払った場合でもすぐに撤回し、コンテンツの提供を中止するケースも出始めており、韓国側は対応に追われている。

中国でのコンサートの開催が急遽中止になった韓国の人気アイドルグループ、EXO。中国人メンバーもおり、中国で今最も人気。(写真=Imaginechina/アフロ)。

 12月に発表された韓国銀行の統計によると、「音響・映像および関連サービス」の収入は9月以降大きく減少。「韓流コンテンツ」でこれまで外貨を稼いできた韓国経済を直撃し始めている。中国外交部の報道官は12月末の定例記者会見で「(限韓令について)聞いたことがない」と否定しているが、一連の動きがサードの配備による中国側の報復措置であることは間違いないだろう。

 今回、韓国の政府や企業などを顧客にもち、中国でマーケティングを担当している韓国企業のキム・ソンギュ社長(仮名)に、中国での韓流締め出しの影響について話を聞いた。