変わり始めた福袋

 無印だけではない。例えば、百貨店をとってみても、福袋の様相は変わってきている。三越伊勢丹ホールディングスでは、すでに数年前に、それまで展開していた全館共通の総合福袋(紳士/婦人でそれぞれブランドにかかわらずアウター、インナーなどが入って1万円、といった福袋)はやめているという。高島屋でも同様の福袋は減少傾向にあるという。

いわゆる百貨店が提供する「福袋」は少なくなってきている(写真:Bloomberg/Getty Images)

 筆者も地元へ帰省した際に、今年の初売りを見に行ったが、いわゆる「福袋」と書いた紙袋があちこちで見られるというひところの初売りとは様子が違っていた。ブランドの名称が書かれた、おそらく福袋として買ったであろう袋を持ち歩く若い女性をちらほら見かけた程度だった。

 一方で、人気を博しているのは、「モノよりコト」。J.フロントリテイリングでは、各店舗ごとに独自の福袋を販売。例えば、大丸東京店で発売した「箱根富士屋ホテルペア宿泊券と鈴廣かまぼこの里でのかまぼこ手作り体験」を2万170円で発売した結果、100倍の募集があったという。ほかにも、大丸梅田店で販売した帝国ホテルクリニックでの日帰り人間ドックは、3.5倍以上の申し込みがあった。他の百貨店もいわゆる「体験型福袋」に力をいれており、もはや「余りもの」の色彩は一切ない。

 江戸時代に呉服店が1年の裁ち余りの生地をまとめて売ったことに端を発するとされる福袋。400年以上の歴史を経て、「余り物」を売るだけではありがたがられない時代の到来で、その姿は変貌を遂げようとしている。