「福袋商戦へのアンチテーゼ」

 記者は、今回の無印の施策は、そうした流れに問題提起をしたのではないかと感じた。無印良品は、今回福袋の店頭販売をやめた理由に関して、「在庫コントロール精度の向上により、全国の無印良品店舗分の福袋用在庫が確保できなかった」としている。そもそも福袋は、余剰在庫を詰めるもの。福袋が用意できないというのは、在庫コントロールができていたという証左であり、企業にとって評価されることだ。余剰在庫がなければ、福袋はなし、というのは当然の判断だろう。無い袖は振れない。一方、社内には限られた数でも来店する顧客に対して販売するべきではという議論があったが、それでも公平性や安全面の観点から、ネットストアでの予約抽選販売にしたという。

 その代わり、店頭では日本各地の郷土玩具の面白さを紹介する商品や無印良品のギフトカード2017円分などをセットにした「福缶」を発売。数量を前年比で約1.7倍に増やしたり、「体にフィットするソファ2017円引き」など人気商品の価格プロモーションを行ったりすることで賑わいを作った。

無印良品が発売した「福缶」。昨年の福袋の売上額を上回った。

 結果はどうだったか。オンライン限定発売した福袋は、20種類、合計1万7000個を用意し、12月9日~15日に抽選販売の受付を行ったが、応募件数は述べ49万件を超え、倍率30倍。店頭販売の福缶は、販売したほぼすべての店頭で即日完売が相次いだという。福缶の売上額は、昨年の店頭での福袋の売り上げ額を上回った。

 1月5日に行われた「無印良品」を展開する良品計画の決算発表では、今回の施策に関して「福袋へのアンチテーゼ」という主旨の説明があった。個々の消費者にとって必要か分からない商品が入る福袋よりも、福缶に入っているギフトカードで必要なものを購入してもらった方が消費者のためでもあるという同社の提案というわけだ。