京都・嵯峨野の「竹林の道」を行き交う外国人
京都・嵯峨野の「竹林の道」を行き交う外国人

インド人が明かす「日本訪問のハードル」

 数の上では大成功にみえるインバウンド誘致。だが、日本は本当の意味で「おもてなし」できているのだろうか。そのことを疑問に感じたのが、過日、ある在日インド人とインド料理店で食事した時のことだ。

 その人物は、江戸川区にあるインド人会の会長で、ジャパンビジネスサービス有限会社代表のジャグモハン S・チャンドラニさん。チャンドラニさんは1978年に来日、日本におけるインド人の支援などに務めている。彼の話を聞き、日本が真の観光立国になるために、まだ乗り越えるべきハードルが残されていることを知ることができた。

ジャグモハン S・チャンドラニさん
ジャグモハン S・チャンドラニさん

 冒頭、チャンドラニさんは「日本人にとってインドは、馴染みのある国ですか?」と尋ねてきた。インドを訪問したことのある私は「もちろん」とこたえたが、同時に「いや、待てよ」と思った。

 確かに、京都でもインド人旅行者は滅多に見ない。インドは中国に次いで世界で2番目、約13億人の人口を誇り、経済成長も著しい国だ。日本でインド人の姿をもっと多く見かけてもいいはずだ。

 実のところ2014年の訪日中国人旅行客数が241万人に対し、訪日インド人旅行者は9万人にも届かない。また観光庁が2015年10月に発表した「訪日外国人の消費動向」によれば、インド人の来訪目的の多くがビジネス(75.6%、全国籍の平均ではビジネス目的の訪日は16.9%)。観光はわずかに6.4%に過ぎない。

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