部品再編の機は熟した

 外資系部品メーカーは異業種の“取り込み”に必死だ。仏ヴァレオは2016年11月、AI(人工知能)ベンチャーである米クラウドメイドの株式の50%を取得したと発表。同社の持つビッグデータ解析技術やAIを使って、それぞれの運転者に適した運転支援機能を提供する。

 世界最大手のボッシュや、買収巧者と言われる独コンチネンタルも、積極的なM&Aを続けている。

 一方で、日系部品各社の動きは鈍い。

 欧米に比べて、自動車メーカーと部品メーカーがケイレツ関係にある日系では、そもそも提携の動きが進みにくいのは事実だ。とは言え、機は熟したと言っていいだろう。

 トヨタグループは2014年ごろから始めた事業再編に一定のめどが付いた。シートやブレーキ事業を統合。デンソーが富士通テンを子会社化し、自動運転などの先進技術開発を進める。

 デンソーは2016年10月に東芝とAIの共同開発に着手したほか、12月にはNECともAIで提携すると発表した。脱トヨタが一層進めば、今年はさらなる動きがあってもおかしくない。

 日産自動車は子会社のカルソニックカンセイの株式売却を決定。日産自動車は日経ビジネスの取材に対し「子会社でなくなることが、カルソニックカンセイの拡大の余地を生む」と話した。独立したカルソニックカンセイが独自の戦略で他社との提携を進めることは十分に考えられる。

 技術開発の側面だけでなく、三菱自動車が日産の傘下に入ったことによる部品メーカー同士の競争も激しくなる。

 自動車業界の産業構造そのものに変革を迫る技術革新の波。2017年は、部品メーカーを巻き込んだ再編に発展するかどうかが一つの焦点となる。