サムスンがハーマンを買収したワケ

 日系メーカーだけでなく、米ゼネラル・モーターズ(GM)や独フォルクスワーゲンなどの大手も同様に、異業種というこれまでとは別次元の提携へと歩みを進めた。

 周知の通り、こうした提携合戦の背景にはテクノロジーの急激な進化がある。「全方位で技術開発を続けるためには規模が必要になる。開発費が限られる小規模メーカーは提携なしには生き残れない」。こうした文言を2016年の1年間で何度書いただろうか。

 今年も、「自動運転」と「電動化」を2大キーワードが迫る自動車メーカー各社の動きは止まりそうにない。加えて記者が注目しているのは、日系部品メーカーの動きだ。

 自動車メーカーや外資系部品メーカーに比べ、日系部品メーカーの“進化”は進んでいないように見える。

 例えば韓国サムスン電子は2016年11月、自動車部品大手の米ハーマンインターナショナルを80億ドル(約8600億円)で買収すると発表。サムスン史上最大の買収劇となった。

 サムスンがハーマンを買収したのは、「つながるクルマ」や自動運転などの新技術によって、自動車部品市場の成長が期待されているからだ。

 2016年10月には、スマートフォン向けチップで世界トップシェアを誇る米半導体大手クアルコムが、車載チップ事業を狙って同業のNXPセミコンダクターズを買収することで合意した。クアルコムは今年1月3日、同社のチップセットが独フォルクスワーゲンの次世代車に搭載されると発表したばかり。クルマへの注力は明らかだ。

 異業種各社は自動車メーカーとの提携だけでなく、「スマホの次」の成長市場として車載部品に触手を伸ばしている。