
バチカンは14日までに中国福建省閩東(ミントン)教区の地下教会司教だった郭希錦を同地区の政府公認教会の副司教にした。司教の地位は北京当局の任命した司教、詹思禄に譲られた。郭希錦はバチカンが任命した司教であり、長らく中国当局がその地位を承認してこなかった。地下教会司教として過去何度も拘束、尋問され虐待され、バチカンと中国が司教任命権をめぐる交渉を水面下で行っていた最中の3月にも、地元警察に身柄を拘束されていた。
バチカンと中国が9月に司教任命権問題で“暫定合意”に至り、中国当局が勝手に任命し、バチカンから破門されていた7人の司教に対して破門を取り消した。これに続き、地下教会の司教を政府公認教会の司教の下につけることに同意したわけで、バチカン側は全面的に中国政府に譲歩し続けているという印象だ。だが、今中国で起こっている非公認教会の弾圧の嵐をみるに、バチカンの妥協は中国を勢いづかせることになりはしないか。バチカンはどこまで妥協するつもりだろう?
郭希錦はバチカンの判断に従う意思をすでに表明しており、12月14日までに、北京の釣魚台迎賓館にて、バチカンから派遣された代表団とともに詹思禄と面会、譲位式が執り行われた。
環球時報が14日に報じたところによれば、彼の司教譲位がバチカンと中国の交渉の焦点の一つであったようだ。中国側は2017年以来、なんども郭希錦に司教を譲位するように要求していたという。郭希錦は環球時報に対して、これで地下教会と政府公認教会は合併したと語っている。
だがこれは本当に中国のキリスト教信者たちにとって喜ばしいことなのだろうか。というのも、今中国で進行しているカトリックを含むキリスト教弾圧は文革以降過去最悪と言われる苛酷さなのだ。
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