ニューヨークタイムスによれば、双方は「米国と台湾の経済、政治、安全保障面での緊密な結びつき」を確認。米大統領(予定者)が、正式に国交のない台湾の総統に直接接触することは、中国への配慮を優先してきた米国にしてみれば、異例中に異例で1979年以来初めて。しかもトランプのツイッターでは、蔡英文を「プレジデント」を呼んでいる。これには、中国はそうとう衝撃をうけたようで、3日になるまで公式報道を差し止めていた。3日になって、外交部として正式に厳正なる抗議を米国に対して行ったが、これはトランプ政権御しやすしと期待していた習近平政権に冷や水を浴びせかけるに十分であった。

 トランプ・蔡英文の電話会談は10分以上におよび、双方が互いに、大統領・総統選選挙への勝利に対する祝辞を述べ、アジア地域情勢について意見交換をした。

 同じ日、トランプはツイッターで「プレジデントオブタイワンから電話もらって、大統領当選おめでとうといってもらった。サンキュウ!」とツイート。

報道差し止め、トランプ政権に警戒

 これについて王毅外相は「(米台指導者直接電話会談など)小細工であり、国際社会が既に形成した中国の地位を変えることはできない」「米国も長年堅持していた『一つの中国政策』を変えることはなかろう。『一つの中国政策』は中米関係の健康的な発展の基礎であり、これを少しでも破壊したり損なうことを我々は望んでいない」とかなり感情を抑えたコメントを出した。

 しかし、この「小細工」に中国は今までずいぶんこだわって、恫喝を繰り返してきたことを思えば、不自然なほど冷静。「トランプは外交に無知なだけ。台湾と中国の問題をわかっていない」「相手が女性だから鼻の下を伸ばしたのだ」「まだ大統領就任前なのだから目くじらを立てるほどのことはない」といった理由を挙げながら中国としてはあえて冷静を装ったといえる。それだけトランプ政権に警戒して、トランプの出方を見極めようとしているともいえる。

 中国が嘯くように、確かに米国が「一つの中国」政策をすぐさま変更するとは考えにくいのだが、トランプが、心を込めて中国に嫌がらせをし、その反応を見てやろうという底意地の悪い性格である可能性は高い。