習近平の大バッシング大会になる恐れ?

 ではなぜ四中全会がこんなにも遅れているのか。強引に憲法を変え、集団指導体制の根本を揺るがし、個人独裁体制を打ち立てようとしている習近平政権二期目のやり方は、党内部でもいろいろ物議をかもしている。よほど内部で揉めているようだ。具体的に何を揉めているのだろう。

 一説によると、今四中全会を開くと、習近平の大バッシング大会になってしまい、その権力の座が危ない、と習近平自身が恐れているから開けないのではないか、という。

 ラジオ・フリー・アジアの取材に清華大学政治学部元講師の呉強がこうコメントしていた。

 「習近平は南方視察の間、一度も大した演説をしなかった。改革開放についても何も語らなかった。四中全会の日程も、いまだアナウンスされていない。その理由について、北京の権力闘争が膠着状態に陥っているのではないかと思われる」

 「わかっているのは習近平にしろ中国共産党にしろ、誰も未来に対する長期的な改革開放についての明確な計画を持っていないということ。これに加えて年初以来の憲法改正が引き起こした権力の真空と密接に関係していると思われる。大衆にしても、党幹部にしても目下一切の責任は習近平一個人にすべてあると考えている。党の幹部は現在二つの選択に直面している。党に忠誠を誓うべきか、あるいは習近平個人に忠誠を誓うべきか」

 清華大学政治学部は習近平に対して政策提言も行うブレーン集団の一角だ。元講師の言葉とはいえ、内部状況をそれなりに把握したうえでの発言だとすると、今の共産党内部の状況は危機的ではないか。

 党内がアンチ習近平派と習近平忠誠派に分かれての対立は、憲法修正によって国家主席任期制限が撤廃されて以降激化していると私も聞いている。アンチ習近平派は鄧小平路線支持者であり、国家主席任期制度を復活させ、習近平に潰されかけている集団指導体制を回復し、改革開放を継続、さらに深化させていくことを望んでいる。習近平路線とは鄧小平逆行路線、あるいは毛沢東回帰路線ともいえる新権威主義を掲げ、市場や企業に対しての党の干渉強化、コントロール強化を進めている。習近平が掲げる国有企業改革や混合経済推進とは、事実上民営企業の国有化といえる。