中国宇宙開発事業60周年記念日に際し、中国航天科技集団董事長の雷凡培が新華社のインタビューにこう語っている。

2024年、唯一の宇宙ステーション保有国に

 「目下、我々の宇宙開発能力は国際先進レベルの指標の三分の一ぐらいにある。有人宇宙船、月面探査などの主要技術指標についてはすでに国際先進レベルに到達しているだろう。あともう少しの時間をかけて、2025年には宇宙強国の目標を達成できるだろう。…中国の宇宙技術は買ってきたものでも、人から与えられたものでもない。自主独立で艱難辛苦の奮闘を経て、いくつもの挫折を経験しても、這い上がるようにして作り上げてきた。だから西側先進国の宇宙大国とは違う道を行く」

 「宇宙ステーションについても、米国は経済的理由でできなくなり、欧州も日本も諦める中、中国だけがその科学的価値を認めて、やり続ける。…2024年で国際宇宙ステーション(ISS)の運用が終われば、中国だけが世界で唯一宇宙ステーションを保有する国家になるのだ」

 中国の宇宙覇権への野望はもはやはったりではない。果たして中国経済がその野望を最後まで支え切れるのか、という点についてはいろいろ意見の分かれるところかもしれないが、いかなる犠牲も失敗も意に介さずひたすら天空を目指す中国の本気を、日本も米国も決して侮れるものではないということはしっかり認識しなくてはならないだろう。

【新刊】中国が抱えるアキレス腱に迫る
赤い帝国・中国が滅びる日

 「赤い帝国・中国」は今、南シナ海の軍事拠点化を着々と進め、人民元を国際通貨入りさせることに成功した。さらに文化面でも習近平政権の庇護を受けた万達集団の映画文化産業買収戦略はハリウッドを乗っ取る勢いだ。だが、一方で赤い帝国にもいくつものアキレス腱、リスクが存在する。党内部の権力闘争、暗殺、クーデターの可能性、経済崩壊、大衆の不満…。こうしたリスクは、日本を含む国際社会にも大いなるリスクである。そして、その現実を知ることは、日本の取るべき道を知ることにつながる。
KKベストセラーズ刊/2016年10月26日発行