習近平政権二期目の「特色ある大国外交」は“トランプ接待”から始まる(写真:ロイター/アフロ)

 習近平(シー・ジンピン)政権二期目がスタートし、その外交の行方が注目されるところだ。今月、その最初の大舞台がある。トランプの訪中である。習近平が長期独裁体制を確立するか否かは、かなり国際環境の影響を受ける。政権一期目の習近平外交は最初の方は強引さと荒っぽさから、国際社会の批判も目立ったが、後半になると反トランプの国際世論が奇しくも習近平政権を相対的にポジティブに評価してしまうという現象も起きた。はっきりいって、これまでトランプを一番“利用”してきたのは習近平だろう。では今後どうなるのだろうか。

日本の歓待ぶりを中国メディアが詳報

 トランプは5日から12日にわたるアジア5カ国歴訪の旅に出た。最初の訪問先は日本。日本での歓待ぶりは中国でもかなり詳細に報じられた。米国メディアの方が、むしろ関心が薄いくらいだ。欧米メディアにしてみれば、今回のトランプのアジア歴訪の山場は、習近平、プーチンとの会談だと見ているのだろう。

 だが中国メディアは意外に、トランプ訪日を細かなところまで報道している。2020年東京五輪のゴルフ競技会場となる霞が関CCで世界ランキング4位のプロゴルファー、松山英樹が高額賞金の米ネバダ州の試合を辞退してまで、この“ゴルフ外交”に力を貸し、トランプにレッスンをつけたことなどは、純粋にゴルフファンの羨望をそそる記事として書かれている。ちなみに2016年の中国上海・佘山国際GCで優勝した松山は中国でも人気がある。

 このほか、天皇陛下・皇后陛下との会見、トランプに先立って訪日したイヴァンカへの接待ぶり、どこでどのようなメニューの宴席が設けられたか、なども含めて、日本の徹底した“おもてなし”ぶりを報じていた。こうした報道の目的のひとつは、おそらくは習近平のトランプ接待と比較するつもりであろうと思われる。つまり習近平も安倍に負けないトランプ接待が重要だと考えている。これが習近平政権二期目の外交デビューであり、政治活動報告で語った“世界の舞台の中央に近づく中国”の姿を見せつけ、中国の特色ある大国外交というものを、喧伝する場だからだ。