第19回党大会に出席する党代表の名簿に毛沢東の孫・毛新宇の名前はなかった(写真:AP/アフロ)

 10月18日から開かれる第19回党大会に出席する党代表名簿が出そろった。特に話題になったのは解放軍・武装警察選出の303人の代表名簿だ。前海軍司令の呉勝利が失脚と一時報道されたが、その呉勝利は名簿に名前が残っていた。前空軍司令の馬暁天も動静不明ではあるが、名簿に名前が残っており、どうやらこの二人の政治生命はつながっているもようだ。その一方で、聯合総参謀部総参謀長の房峰輝、政治工作部主任の張陽という胡錦涛の信任が高い二人の現役上将の名前がなかった。また、毛沢東の孫の毛新宇はじめ、解放軍内の紅二代・太子党がごっそりと落選していた。党大会前、軍内では、激しい人事更迭の嵐が吹き荒れており、毛沢東ファミリーですら、習近平の軍内粛清から逃げることができないようだ。

失脚説から一転否定が示す、大混乱

 産経新聞、共同通信などが前海軍司令の呉勝利が党の規律違反で取調べを受けているとして、失脚説を報じたが、その後の9月6日に発表された党代表名簿には呉勝利と馬暁天の名前が残っており、この二人の”無事“が確認された。その後、9月8日に天津で行われた中国全国運動会の閉会式に呉勝利が登場し、自らの健在をアピールした。呉勝利は72歳で、すでに海軍司令職を引退、党中央軍事委員会に名前は連ねているが、次の党大会で円満引退する可能性はある。だが、どうやら政治生命が完全につぶされる事態は避けられたもようだ。ただ、過去二度ほど汚職の噂が出て取調べを受けたというのは本当らしく、今後も絶対安全というふうにも言いきれない。

 空軍司令を解任されたばかりの馬暁天の名前も残っていた。岳父含めて三代にわたる軍人家系のサラブレッド、馬暁天が更迭された、という報道も産経新聞によるものだ。すでに68歳だから空軍司令引退は更迭というより円満退職とも言えるのだが、その動静が一時不明であったことで憶測を呼んだ。習近平から特に信任が厚いといわれた馬暁天と呉勝利が失脚したという説がいったん流布して、その後にそれが否定されるということは、それは軍内権力闘争が相当混乱しているということだろう。