こうしたアフリカのリスクは実は中国だけでなく、アフリカに進出しているどの国も直面するものなのだが、あの中国ですら実はアフリカ進出は苦戦しているというのは興味深い。テロ・紛争リスク、法律の不備や無視、汚職の蔓延、労働者のモチベーション不足、金融や為替のメカニズムの不備などは、中国が国内で抱える問題にもあり、中国企業も当然、耐性があると思われているのだが、アフリカはその中国企業ですら音を上げるほどの環境のようだ。

 特に、西側企業との国際競争が激しくなってきたことが、中国投資の苦戦の大きな理由に浮上してきた。西側大国と新興の大国が中国をターゲットに連動して動いている、という。「アフリカを食い物にしている中国の新植民地主義」という「宣伝」は、思った以上に中国のアフリカでの経済活動を苦しめているようだ。

 もっとも、この指摘は、投資を受ける現場の住民の間では、反中意識が高まっていることの証左だといえる。『進撃の華人』(講談社)の著者の一人の元北京駐在スペイン人記者、ファン・パブロ・カルデナルから直接聞いた話だが、アフリカの多くの中国企業投資の現場では、環境破壊や住民の生活破壊、労働者への賃金未払い、搾取などの問題が必ずと言っていいほど発生し、政府や汚職官僚は中国マネーを歓迎するとしても、そこに暮らす人々の間ではむしろ反中意識が芽生えているという。詳しくは同書を読めばわかるのだが、そういった現地にはびこる反中感情のものすごさは、しばしばおきるザンビアの現地労働者と中国人マネージャーとの武装衝突事件やガーナの中国人違法金鉱採掘者の大量逮捕事件などにも表れている。

課題3点、アフリカの批判

 在米華人学者の何清漣がボイス・オブ・アメリカに寄稿した「中国海外鉱山投資が資源ナショナリズムに遭遇」という記事を少し参考にして述べると、アフリカの知識人やNGOは、ここ数年一貫して、次の3つの点について中国を激しく批判している。

 ①中国の「新植民地主義」「経済帝国主義」がアフリカのエネルギー資源をかすめ取るだけでなく、環境生態を破壊している。

 ②中国のアフリカ経済開発は(中国移民を増やすばかりで)アフリカ人の就業機会増に貢献していない。

 ③人権を無視し、独裁政府を支持している。

 一部地域で中国投資の油田や鉱山が現地武装勢力に襲われるのは、中国の投資自身が現地の政治衝突に干渉しているからだ、という。根本にはアフリカの資源ナショナリズムの台頭がある。