こうしたウイグル側の主張を受けた米政権および米メディアの態度に対して、中国は強く反駁している。

 国連の人種差別撤廃委員会でのゲイ・マクドゥーガルの証言に対しては、中国統一戦線部第九局副局長の胡連合が次のように反論した。

「100万人を強制収容しているという事実はない。確かに再教育施設は存在しているが、その名称は職業訓練センターであり、宗教過激派に騙された人々に対し、新たな居場所をつくり教育によって助ける場である。……だが、目下、そのセンターで何人が生活しているかは私も知らない」

 統一戦線部第九局というのは、2014年に新設された新疆問題を担当する部署。この部署の建前は、新疆の三種勢力(テロ勢力、民族分裂勢力、宗教過激派)における幾多の深刻な社会問題を解決し、新疆の安定を図ることを目的とする。

 中国のタブロイド紙・環球時報は胡連合の発言を踏まえて8月13日に「新疆を中国のリビアにしないこと、これが最大の人権」という社説を発表。簡単にいえば、新疆の平和維持のために多少の無茶は必要悪、という論理だ。いわく「新疆の治安維持は一大戦役であり、統一戦線部幹部群衆の新疆における戦いは、全国人民の支持と理解と許しを得られるものだ。彼らを恨み、噂に流され、西側の威圧を助長してはならない」。さらに新疆のイスラム過激派が中国の平和安定を脅かす例として、北京の金水橋や昆明鉄道駅で起きた「イスラム過激派テロ事件」などを例にあげている。要するに、宗教弾圧や強制収容所での再教育については事実上認めているということだ。

ISが中国に報復を予告

 一部ウイグルが中国当局の弾圧・迫害を受けて、その恨みからIS戦闘員となって中国に報復してやりたいと考えていることは、彼らが発信する動画などからも判明している。昨年2月27日、ISのウイグル戦闘員らがウイグル語で「われわれはカリフ制国家の兵士だ。お前らのもとに行き、武力によってはっきりさせてやる。川のように血を流し、虐げられた人たちの復讐(ふくしゅう)をする!」と発言する警告ビデオを流していた。これはISの標的に中国が挙げられた初めてのビデオであり、中国としても脅威を感じたかもしれない。昨年4月以降の強硬な新疆政策は、こうした挑発を受けての、国家安全を守る上で必要な対応だというのが、中国側の言い分だろう。