日本外務省アジア・大洋州局長の金杉憲治は、領海侵犯があった段階ですぐ、中国大使館の公使・郭燕に電話で「このような行動は、現場の緊張をさらに高める一方的な行動であり、受け入れることは絶対にできない」と抗議し、中国側は船を領海に入れないように、さらに接続水域から立ち去るように要請した。中国の日本大使館も中国外交部に対し抗議を表明した。

 日本政府としては、「中国海警船が漁船に囲まれて航行することは、日本の領海内で中国が法の執行行為をしているということになり、主権侵害に当たるとして、過去の接続水域侵入とレベルが違う」と判断。5日夕の抗議は、外務次官の杉山晋輔が、中国大使の程永華を呼び出して、「厳正なる抗議」にレベルアップし、「この挙動は日本主権の侵害であり、断固許すことはできない」とした。

中国の変わらぬ態度と増え続ける海警船

 これに対し、中国外交部報道官による中国の公式の態度は「中国側の釣魚島(尖閣諸島)問題においての立場は明確で、一貫している。釣魚島とその付属島嶼は中国の固有の領土であり、中国はこれら島嶼とその海域の主権について争う余地はない。同時に中国側はこの海域に関しては妥当な管理措置を取っているところである。我々は強烈に日本サイドが、双方の関係する原則の共通認識精神を守ることを希望し、冷静に事態を見つめ、状況を緊張、複雑化させる可能性のあるいかなる行動もとらないように希望する。そしてともに関係海域の安定のために建設的な努力をしよう」といつも通りであった。

 このコメントに象徴されるように、尖閣諸島海域の中国海警船は立ち去るどころか増え続け、7日午後には13隻、過去最多に増えた。この日、午前10時ごろ、また2隻が領海に侵入、いったん外に出たが夕方にまた領海を侵犯した。これは2012年9月18日の尖閣諸島の国有化問題で日中関係の緊張がピークに達したころ、12隻の中国公船が尖閣周辺に集結した状況を上回る。

 日本側はこの日も大使に直接抗議したが、中国側は聞く耳をもたなかった。