善心滙とはいったい何なのか。正式名称は“深圳善心滙文化伝播有限公司”。深圳市を拠点にするマルチ商法、ピラミッドセーリングの企業らしい。2013年に資本金100万元(うち張天明の出資は51万元)で登記されたときは「文化活動、展覧展示、会議、企業イメージ、マーケティングなどの企画会社」ということで、葬儀などのセレモニー企画などを行う会社だった。だが7月21日付けの新華社によれば、この企業の法定代表人、張天明らが違法な連鎖販売取引(ピラミッド・セーリング、ネットワークビジネス、マルチ商法)組織を運営していたとして逮捕された。

会員600万人、寄付金100億元以上

 善心滙のサイトなどによれば、サイトを通じて「寄付」を振り込めば、数十日後に一定の割合のキックバックがあり、「寄付」金が多いほど、キックバック率は低く、これによって金持ちの儲けは少なく、貧困者がより多く儲けることができるという慈善理念が実現できるという。

 「寄付」者は会員となり、会員同士は家族のように相互扶助関係にあるという。寄付は「善心幣」と呼ばれる一枚100元の特殊通貨で行われ、キックバックは6等級に分かれる。貧困区という一番安い「寄付」額は3000元で、一カ月後には1600元が「受助」という名目で返金される。5万元の富裕区の「寄付」をするとおよそ10%の5000元が受け取れる、ということになる。会員になると、さらに多くの会員を勧誘することが奨励され、増やした会員の寄付額の3~6%を受け取れるという。いわゆるネズミ講だが、これを善心滙は「循環経済」「会員互助」と呼んだ。会員はすでに全国で600万人を超え、集められた寄付金は100億元以上、創始者の張天明の口座には10億元以上の預貯金があったとか。

 中国公安当局はこれを違法商法として7月17日、張天明を逮捕した。この逮捕と容疑が21日に発表されると、全国から会員が、張天明の釈放を訴えに続々と結集したというわけだ。