6月13日、中国に名をとどろかす紅色企業(革命に参加した主要ファミリーが経営や資本に関わっている企業)・安邦保険集団のトップにして、鄧小平の(元)女婿である呉小暉が失脚したことが明らかになった。9日に民生銀行から融資を受けた1000億元を横領した疑いで、身柄を拘束された、らしい。これに伴い安邦株は大暴落だ。

 6月22日には、飛ぶ鳥を落とす勢いであった政商・王健林が率いる大連万達集団の株価も暴落。これに伴い王健林失脚の噂が流れた。22日午後には、中国のバフェット級投資家でもある郭広昌率いる復星集団の株価が暴落。「星野リゾートトマム」買収で日本でも知られるようになった郭広昌は2015年12月に失踪(上海市公安当局に贈賄容疑で身柄拘束されていたらしい)したが、無事復帰していたところだった。

 中国経済の雄・万達、復星の株価暴落は、あまりに突然であり、22日は“魔の木曜日”と呼ばれた。その前に、米国に逃亡した闇の政商・郭文貴の暴露発言で、王岐山との癒着が噂された海航集団(南海航空集団)の株価も暴落している。

「ホワイト・グローブ」をめぐって

 上記の企業に共通しているのは、政治的な強大な背景があり、その株価が鉄板と思われていた“紅色資本”であり、いずれも海外のM&Aに積極的であり、海外に巨額の資本を所有し、いずれも「ホワイト・グローブ」と呼ばれる、共産党中央の官僚・政治家の資金洗浄などを請け負っていた政商たちである。

 この前に、やはり大富豪で政商であった蕭建華が香港で拉致され行方不明(北京に秘密裡に拘束されているという噂)となる事件があり、これら一見、関係ないようにも思える政商の拘束や紅色株の暴落は、実のところ関連しているとみられている。“経済政変”という言葉も飛び出している。中国経済界で一体何が起きているのか。