海外の人権団体が懸念しているように、この法律によってネット言論の自由が大幅に規制されることも間違いない。実名登録制を遵守しなかったサイト運営者に対してもサイト閉鎖、営業許可証の取り消しほか、5万元~50万元の罰金が科される。サイトやチャットグループを設立して、違法行為や犯罪を呼び掛けたり情報を流したりした場合、それが犯罪を構成しなかった場合、5日以下の拘留、10万元以下の罰金。悪質な場合15日以下の拘留、50万元以下の罰金となる。

詳細な罰則規定で“デマ”を取り締まる

 この場合の“違法行為や犯罪”というのは、国家指導者や共産党の批判を含む“国家の名誉の棄損”言論や、“社会秩序や経済を擾乱するデマ情報拡散”なども含まれている。だが、中国当局の隠ぺい体質では、何がデマで何が真実かもはっきりしない。デマだと中国当局が言い張っていたことが真実であったことなどあまたある。つまり、政治の錯誤を批判したり、情報封鎖によって不安に思った人たちが口コミを伝え合ったりしても“ネット犯罪”扱いになりかねない。ネット運営者、企業が行政法規で発表や伝達・転載が禁止されている情報を、転載したり削除しなかった場合、公安部門や国家安全部門から技術提供や協力を要請されて、これを拒んだ場合なども50万元以下の罰金、直接管理者に対しては10万元以下の罰金となる。

 また海外に対する警戒も強く、中国の主要ネットインフラ施設に対し、海外の機関、組織、個人が攻撃、侵入、妨害、破壊などの行為を行った場合、国務院、公安部門および関連部門によって、当該機関、組織、個人に対して財産凍結や必要な制裁措置をとることも規定されている。

 この法律は個人情報保護の部分もかなり重視している。違法に他人のネットやサーバに侵入し、その運営を妨害したり、情報やデータを窃取したりするハッキング行為やハッキング行為のためのツールを提供、宣伝することに関しては、いかなる個人、組織であっても禁止され、犯罪を構成することにならなくても5万~50万元の罰金、5日以下の拘留が科される。状況が深刻な場合、15日以下の拘留、100万元以下の罰金だ。

 これがIT企業や機関の人間が関わっていた場合、刑事罰が科され、以後ネット業務に従事することが禁止される。ネット運営者による個人情報の違法売買や提供、誤った利用については、それによって得た違法所得の最高10倍の罰金、企業の場合、業務停止やサイトの閉鎖、営業許可書の取り消しなどの処罰が科される。違法な個人情報の窃取、売買、提供をおこなった個人や組織に対しては、それが犯罪を構成しない場合、違法収入があればその10倍、収入がなければ100万元以下の罰金となる。