さらにほぼ時を同じくして25日、トランプ政権としては初めての米海軍の「航行の自由」作戦を実施した。中国が兵器格納庫を建設しているというミスチーフ礁12カイリ海域に、駆逐艦デューイが航行。5月初めのCNN報道によれば、米海軍からの「航行の自由」作戦実施の要請をトランプ政権は却下したことがあり、北朝鮮問題で中国の協力を要請したいトランプ政権は南シナ海問題において、中国に配慮していると思われていた。米海軍からの「航行の自由」作戦実施要請をトランプ政権が拒否したのは三度、という報道もある。

 おそらく、こうした中国への配慮のし過ぎに対し、軍部はもちろん共和党内からも民主党内からも批判が出始めたので、トランプ政権もしぶしぶ「航行の自由」作戦にGOサインを出したのではないか。

中国は「争うことのない主権を保持」

 だが、中国側はこれにも、激しくかみついた。外交部報道官は、「米軍が中国の許可なく勝手に海域を航行した」として、こう発言した。

 「我々は米国がすぐさま過ちを正し、中国の主権と安全の利益を損なう挑発的行為をやめ、地域の平和と安定と中米協力の大局に悪影響を与えないように、強烈に促す。…目下、中国とASEAN諸国は共同の努力のもと、南シナ海情勢を鎮静化させるとともに、絶えず積極的に状況を発展させている。米国側のこのような行動は、南シナ海をめぐる対話協議のプロセスに深刻な妨害を与え、誰の得にもならない」

 国防部報道官もこう牽制した。

 「中国は、南沙諸島および近海に対し、争う余地のない主権を保持している。米軍がこのように武力を誇示して、地域の軍事化を推進し、海域空域において予想外の事件を引き起こしかねない行動をとるならば、中国軍は、断固として反対を表明する。米国サイドには厳正な交渉をすでに提出している。
 …米国側の誤った行動は、南シナ海の好転していた局面を破壊し、南シナ海の平和と安定に不利益をもたらすだろう。中米両軍の軍事関係は重要な発展時期を迎えている。健全で安定的な中米ウィンウィン関係のために、我々は双方の共同的努力が必要だ。…米軍が誤った行動を行うことは、中国軍にさらに建設能力を高めさせ、国家主権と安全の防衛を強固にさせるだけである」

 中国海軍はミサイル護衛艦二隻によって、デューイ号に対し識別査証を行い、現場海域から離脱するよう警告したという。