米国代表団を率いたのはマット・ポッティンガー国家安全保障会議アジア上級部長。ウォールストリートジャーナルの元中国特派員で“中国の天敵”だ(写真:新華社/アフロ)

 習近平政権の今年最大の国際政治イベント・一帯一路(シルクロード経済圏構想)国際協力サミットが5月14日、15日に行われた。陸のシルクロードと海のシルクロード沿線国約60カ国を中国主導で一つの経済圏とするという大風呂敷の構想の実現に向けた初の国際会議だ。開幕日に北朝鮮が弾道ミサイル発射実験を行うという嫌がらせに遭遇するも北朝鮮も代表団は派遣しているし、本来利害が対立するはずのロシアの大統領プーチンも参加している。なにより、オバマ政権時代は徹底無視であった米国が代表団を派遣したことが、世界を驚かせたことだろう。資金ショートの問題などがあり、暗礁に乗り上げかけているかに見えた一帯一路だが、トランプ政権の方向転換、親北親中派の韓国新大統領の登場もあって、国際社会の風向きは中国に有利なように変化しているようにもみえる。一帯一路の行く先を今回のサミットから占ってみたい。

習近平への“朝貢”を喧伝

 今回の“一帯一路サミット”の目的は、一帯一路の推進以前に、習近平が党大会前に、国際社会の自分への肯定感をアピールして国内権力闘争を有利にもっていきたいという狙いが大きい。こういう国際イベントを盛大に開き、あたかも中国が国際社会の中心であるというイメージを中国人民および党員たちに印象づける。習近平の下にあたかも朝貢国のような国々の元首が集うという構図をCCTVなどを通じて国内に喧伝することは、習近平個人のメンツを満足させるだけでなく、今後の権力闘争の追い風にもなるのだ。

 国家元首が参加するのは29カ国・組織でG7の中では、今年のG7サミットの議長国・イタリアのジェンティローニ首相だけ。だがこれをもって一帯一路に先進国が関心を寄せていない、といえるかというとそうでもなく、およそ130カ国・組織が今回のサミットに代表団を送り込み、しかも、当然無視すると思われていた米国や北朝鮮まで代表団を派遣したことは、国際社会の予想を上回った規模になったということだろう。