江蘇省常州市の学校で生徒約500人に健康異常が発覚。土壌汚染が原因とみられる(写真:Imaginechina/アフロ)

 江蘇省常州市の学校で、おそらく土壌汚染が原因で生徒500人近くがリンパ腫や白血病にかかっていることがCCTVのスクープ報道(4月17日)で判明した。“中国版ラブキャナル事件”と中国国内では騒がれている。500人もの子供が短期間に集団で健康被害に遭うこの事件は中国公害史においても、特筆すべき事件となるのではないかと思われるので、いちど経緯と背後の問題をまとめておきたい。

「建てるべきではなかった学校」

 CCTV13チャンネルが4月17日に報じた調査報道「建てるべきではなかった学校」によれば、江蘇省常州市の常州外国語学校(中高校)で、昨年9月に新校舎に移転後、生徒500人弱が白血病やリンパ腫などと診断されていることが明らかになった。この新校舎は、化学工場跡地に隣接した土地に建てられたものだが、CCTVのテレビカメラに対して保護者たちが、水や空気が汚染されている、水道水が少し酸っぱくって変な味である、と訴え、生徒の食事や飲料水は、保護者たちが自宅から学校に毎日届けているという。

 12歳のある女子生徒は、昨年以来、咳が止まらず、顔に発疹ができ、13歳の生徒は湿疹や手の皮がむける症状を訴えた。在校生2451人中、体に異常を訴える641人の生徒に対して学校が健康診断を受けさせたところ、493人に湿疹、気管支炎、白血球減少などの異常が見つかり、結節性甲状腺腫や悪性リンパ腫、白血病と診断された例もあった。

 この土地にもともとは常隆化工、常宇化工、華達化工の三つの化学工場があった。三つのうち最大の工場である常隆に35年勤務していた従業員の証言によれば、この工場では主にフェンバレレートやシハロトリンといった農薬を生産していたが、チオジカルブなど今の中国では生産禁止になっている農薬殺虫剤も多種生産しており、2009年に工場が移転される前に、こうした劇薬がこっそり地面に埋められたという。また、この工場排水が流れていた運河はいつも青色をしていたという。この運河はすでに埋め立てられている。こう証言する従業員の手の皮も、化学薬品汚染のせいでずるむけになっていた。