中国外交部の女性報道官が先月22日の定例記者会見で、日本の高校の歴史教科書検定で南京事件の犠牲者数の記述が削除されたり、尖閣を日本の固有の領土と記述したことなどについて、こうコメントした。

 「南京大虐殺は日本軍国主義が侵華戦争において犯した残虐なる犯罪行為であり、確かな証拠が山のようにあり、もはや定説となっている。日本が教科書の粉飾や削除を行うことは、歴史の過ちを直視したがらず危険な動向を反映している」

 「釣魚島およびその付属の島嶼は古来、中国固有の領土である。日本がいかなる手段で自らの誤った立場を喧伝しようともこの事実はかわらない」

 「我々は厳粛に日本が歴史に対して高度な責任を負う態度を持つよう求め、侵略の歴史への正視と反省を承諾し、若者に正確な歴史教育を行うことによって、隣国関係を改善する努力を実際の行動で示してほしい」…。

日本は三度おいしい“北京ダック”

 まあ、中国としては日本記者の質問に対し、変わらぬ立場を繰り返して答えただけなのだが、興味深いのは、この報道官の答えに対する微信などネット上のSNSの反応である。

 「(日本の歴史教科書問題のことより)先にワクチン問題について説明しろよ」

 「ワクチン問題が出てすぐに、小日本の話題が出てくるとか。ほんと、小日本って全身余すところなく重宝できるな」

 「そんなこと(日本の歴史教科書問題)、われわれ庶民には関係ねーよ、ワクチン問題の説明しろや」

 「おまえらのワクチンがどれだけの子供たちを殺したのか先に説明しろ」

 「日本になんて関心ねぇ!ワクチンに関心があるんだよ」…

 北京の情報通が説明する。

「中国政府に都合の悪い社会問題が起きると、日本批判が出てくる、というパターンは、もうわかっちゃっているんですね。今はワクチン問題。そこから目を逸らすために、政府が日本を利用しているのだと、怒っているのです」

「日本は共産党にとって“北京ダック”なんですよ。北京ダックは、皮はミソをつけて餅(ビン)に包んで食べておいしい、肉はもやしと炒めておいしい、骨はスープにしておいしい、三度おいしい。日本は抗日戦争を持ち出せば共産党の正統性を主張できておいしい、経済が困ればODAや投資を気前よくやってくれておいしい、南京大虐殺や釣魚島で反日を煽れば、国内の社会不満の矛先が党から逸れておいしい、まさしく三度おいしい」…

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