対外援助の建前で覇権拡大の布石

 また、市場管理、税制管理部門、世論メディア管理部門でも大胆な統廃合が行われた。

 国家市場監督管理総局が国務院直属機関として設置される代わりに、国家工商行政管理総局、国家質量監督検験検疫総局、国家食品監督管理総局が解体され、国家発展改革委員会の価格管理および独禁司法関連の職責などを吸収。国家新聞出版ラジオテレビ総局は国家ラジオテレビ総局と名称を変え、重要宣伝及び新聞世論管理の強化をはかる。

 これまでそれぞれに強い権限を持っていた中国銀行監督管理委員会、中国保険監督管理委員会は、国務院直属の中国銀行保険監督管理委員会に統合された。国家証券監督管理委員会も統合されるのではないか、という噂もあったが、これは残り、金融市場管理は一行二会(人民銀行と、銀保監会と証監会)体制で行われる。国税と地方税の徴収システムも大幅に改変され、省及びそれ以下の国税・地方税機構を一本化し、国税総局の権限を強化する。

 興味深いのは国務院直属の国家国際発展合作署の創設だろう。国家国際発展合作署はおそらく日本でいえばJICAのようなイメージだが、その狙いは中国の国家戦略“一帯一路”の推進だ。一帯一路が軍事地政学的目的の戦略であることは何度か、このコラム欄でも指摘しているが、対外援助の建前で覇権拡大の布石を打っていくということだろう。

 新設の国家移民局は、中国から出る移民ではなく、中国に来る外国人・難民管理の強化が目的で、公安部の傘下となる。将来的な少子高齢化現象に備え外国労働者の受け入れを拡大し、管理体制を整備する目的もありそうだ。そのほか、国家知財権局の再構築、国家林業草原局、国家食料物資備蓄局、国家医療保障局などが創設された。

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